前回モロッコあるあるをイスラム教という観点から見ました。
モロッコあるある その1【イスラム教の生活】
今回は生活していてフランス植民地時代の影響を感じたので書いていきます。

モロッコは所謂北アフリカと呼ばれる地域にある国家
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青丸が現在地。この辺がモロッコです。
アフリカの細かい地域分けの図はページ下部に記載

スペイン、フランスと距離が近いですね。
モロッコも帝国主義時代に他のアフリカ諸国と同じように植民地とされていました。
アフリカ統治時代、モロッコは他のアフリカにもれず地理的影響から地域・時代によって多少宗主国が異なっているので複雑です。
(映画”カサブランカ”を観て、「なんでこんなにいろんな国の人が入り混じってるの?」と思った方も多いはず)

その中でも1番強く影響を及ぼしているモロッコのフランス統治による影響からモロッコの生活を見ていきます。

※注意 あくまでも俺個人が感じた事なので悪しからず

第2の公用語”フランス語”

モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語
一部の地方を除いては基本的にアラビア語で会話を行っています。
第1公用語はアラビア語とベルベル語ですが、モロッコには第2の公用語があります。
それがフランス語
学校ではアラビア語とフランス語の2か国語で授業を行います。
日本での英語教育のように英語の時間だけ英語を使うのではなく、フランス語を使って授業を行う為、教育を受けている人は必ずフランス語が話せるといってもいい程皆話せます。
(自国の言葉で教育を行わないのは、他国との経済関係の他にも教育材料の充実度合いも関係しています。日本では全ての学問において専門用語が日本語に訳されていますが、外国ではそもそも自国の言葉でその学問が発達しておらず教育材料がないケースもあります。)

大都市に住む人や若い世代などは英語を話せる人もいますが、モロッコでコミュニケーションを取るには基本的にフランス語になります。
そのため、フランス人にとっては最高のバカンスの場所
物価が安く、自国の言語が通じるとなれば英語が苦手なフランス人(めちゃくちゃ失礼)にとっては最高の観光地ですよね。
実際、モロッコに別荘を持っていたり移住しているフランス人も多いです。
俺の経験上、フランス人は基本的にフレンドリーなので、困った時はフランス人に相談するとモロッコ人相手にフランス語を駆使して助けてくれます。


英語が通じにくいというのは日本人にとってはハードルが少し高い観光地でもありますが、フランス語を勉強したい人、仏文学科を卒業した人にとってはおススメの観光地ですね。
アフリカ諸国は多くの国で第2公用語にフランス語か英語を採用しているので、フランス語を大学で勉強した人はモロッコ以外にも多くの国でコミュニケーションを取ることが出来るので本当に羨ましい…



フランスパン

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モロッコの商店で売られているフランスパン

元フランス統治だった国はご飯が美味しいという話を聞いたことがあります。(ベトナム、セネガル等)
モロッコでもフランスの食文化の影響を感じることが
それがケーキ・パン!
特にフランスパンですね。
モロッコオリジナルのパンと並んでみんながよく食べているフランスパン
そもそも、なんでフランス植民地は飯が美味いの?っていう疑問を解決してくれたのがエッサウィラで偶然目にした本

以下引用文
文明のレベルを測るものさしとして、衛生状態に強くこだわりを持っていたのは、何も日本人だけではない。これは植民地に共通してみられる現象だった。インドシナ半島を植民地支配していた当時、気難しいフランス人は現地人に食事の用意をさせるのを嫌がった。不衛生な調理によって、自分たちの健康や快適な生活が脅かされるかもしれないと恐れたのだ。
このため、フランス植民地のパン屋はフランス人が作ったことを強調して「衛生的な」パン屋であることを宣伝した。つまり、原料がフランス産ではなくても職人はフランス人で品質は本国並みであり、人種的に劣る衛生上問題のある人間が作ったものではない、という意味だった。
ラーメンの歴史学 バラク・クシュナー著


書籍ではインドシナ半島を例に出していますが、モロッコでフランスパンが一般的に食べられているのも同様の理由でしょう。
事実、植民地時代が終わった今でも国によって衛生概念は大きく異なります。更に長年の生活習慣による体質の影響も大きく
現地の人が食べるにはお腹を壊さないが、外国人が食べるとお腹を壊すといったことはどこでも起こることだと思います。
俺もモロッコ ではヨーロッパにいた時に比べてお腹を壊しています。


植民地支配の終了した今でもモロッコスタイルのパン屋とフランススタイルのパン屋があり、どちらもフランスパンが売られていますが味には大きな差があります。
個人的にはフランススタイルのパン屋で食べるパン・ケーキが好きですが、モロッコに来たらモロッコスタイルとフランススタイルを食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。

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※エッサウィラではフランス人が経営しているベーカリーがあり、そこのケーキが美味しいためエッサウィラで沈没しました。


モロッコはアフリカ?

モロッコ人に次は何処の国に行くんだ?と聞かれて、
「モーリタニア(モロッコの南に位置する砂漠の国)」と答えると
「そうか!アフリカに行くのか!気をつけてな!」と必ず言われます。

いやいやいや、モロッコもアフリカじゃないの……?

これは俺だけの疑問でなく、ホステルにいる外国人観光客も口をそろえて
「モロッコ人はみんな他の国をアフリカって呼んで自分たちのいる場所はアフリカじゃない様な事を言うんだ!マジで意味が分からない!」と言います。
実際、モロッコはアフリカなのですが、イスラム文化の国であるため、アフリカ大陸にあるけれど中東の区分に入ることもあります。(実際モロッコでは多くがアラブ人)
同じ北アフリカのチュニジア、アルジェリア、リビアでも同じような感覚を持っているのかはわからないですが、アフリカ大陸ではサハラ以南と以北でアフリカを線引きしています。
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アフリカの地域概図
※私たち日本人がアフリカといってイメージするステレオタイプの危ないアフリカ(内戦・病気・貧困等)はサハラ以南の中部アフリカや西アフリカの国が多いです。
(国によって状況が違うので厳密には分けられませんが、その地域に当てはまる国が多い)


モロッコ人にアフリカの情報を聞こうと思って
「モーリタニアには何があるかな?リベリアってどんな国かな?」って聞いても
「モーリタニアは行ったことないけど、砂漠しかないんじゃない?リベリア?それは何処にある国だよ?コートジボワールならわかるよ。」
という答えが
学校の先生に聞いてこのような答えが返ってきたので、サハラ以南の国についてはあまり知らないのがモロッコ人の実情
同じアフリカの国よりもフランスやスペインの事情のほうが詳しかったりします。


まぁ、日本でも中央アジアのキルギスやタジキスタンについて聞かれても
「いや、アジアはアジアだけど知らんよ…」ってなるので当然かもしれませんが、小さなショックでした。
まあ、ヨーロッパから入るとモロッコもアフリカだなーって感じます。
気候もヨーロッパとだいぶ違うし

出稼ぎ移民

モロッコでは大都市を除いてアフリカ系の人々をあまり見かけません。(モロッコ国民はアラブ民族が多い)
マラケシュなどの観光地ではアフリカ系移民がアフリカの民芸品を売っていたりします。
民芸品を売っているアフリカ系の人たちにどこから来たのか聞くと、ほとんどの人がセネガル出身
本当に全員セネガル出身なのかはわかりませんが、モロッコはアフリカ大陸の中でも経済的には発展している国であることと、ヨーロッパの玄関口になっていることから多くの移民が出稼ぎにも来ています。
そのことについてモロッコ人は周知の事実のようで逆に
「日本から来たんだろ?オリジナルも日本か?それとも韓国とか中国?」
等と聞かれたりもします。
日本は島国であるため近年まで移民が少ない国だったので、オリジナルと育った国が違うという感覚に馴染みがあまりありませんが、近隣が同じ宗教であり、大陸であるモロッコには移民との生活が日常(モロッコだけの話ではないかもしれませんが)

俺自身は会ったことありませんが、モロッコからヨーロッパへ渡ることを目指して自国を離れてモロッコにやって来る難民もいるという話もあります。




ハロー?ボンジュール?

これも第2公用語に近い話
教育を受けているモロッコ人はフランス語を話すことが出来ます。
同じように教育を受けていないモロッコ人も簡単なフランス語ならわかるといった様子

例えば、農村部を自転車で走っていると
「ボンジュール!」と声をかけられます。
そう!モロッコでは外国人に対する挨拶はハロー!じゃなくボンジュールがほとんど。
ちなみに、モロッコ北部(シェフシャウエン近くにある旧フランス・スペイン国境が付近)を境に
外国人に対する声かけは「オラ!」(スペイン語)から「ボンジュール」(フランス語)に変化します。
これもまた当時の宗主国による影響
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旧フランス領/スペイン領の国境

農村部だけでなく、町中で突然話しかけてくる物乞いの人も
「ボンジュールムシュー ペラペラペラー」と簡単なフランス語でねだります。
ただ、フランス語で全然わからないから気になりません。
たまに強者が
「ボンジュール!アハジョン!アハジョン(こんにちは!かね!かね!)」
と話しかけてきます。わかりやすいけどあげたくはない言い方ですね。
丁寧に言うと伝わらなくて、伝わるように言うともらえない。
外国人に対する物乞いのジレンマですね。


日本人が外国人(主に欧米人)は全員英語が話せるでしょ?っていう認識で外国人に英語で話しかけるように
モロッコの人たちにとって外国人はフランス語話せるでしょうって感覚が残っています。
ただ、モロッコもほかの国と同じように若い人は英語がスタンダードになりつつあるようにも感じます。